Defender 2010 Alaskan White

ディフェンダーの色は、黙って頼むと皆白くなります。
白はランドローバー車のベースカラーとも言えます。どの色もモデルイヤーごとに変わりますが、特に白に関しては一家言もって譲らないのがランドローバーです。毎色、その時一番の白を求めて調合しています。

白いクルマは、写真映りだけで見ると単調、かつものものしさのないクルマに見えるでしょう。それが現車ともなりますと様子は一変し、他の色のクルマに比べて凹凸感のはっきりした存在をより感じさせる色に見えます。それは、映り込みが少なく、クルマの大きさとディティールを隠さず押し出すからに他なりません。
同時に、一番難しい色でもあります。
デザインボード上では、白は最も扱い辛い色になります。デザインは基本的に「紙の上」で引かれます。紙の元色は通常白であり、デザイナーは古来より白い紙の上で描くことから学んでいます。その上に色を乗せることで造形を表現しようとするものなのですが、白は元々であるが故に、デッサンの輪郭のみをその時点での有効な表現法とせねばなりません。どんなものになるかは、出来上がってみなければ分からない、つまり、白を扱う以上は誤魔化しが効かないのです。小さなものなら試しに作ってみることも出来ますが、クルマともなるとそうもいきません。
白が使えるクルマか、使えないクルマかによって、人気はもとより将来性、また他色で成功出来るかという完成度も問われる色なのです。ランドローバーはその難しい色をベースに使い続けています。四駆専門メーカーとして、息が長いデザインを提供することは、その業態と特色を維持する為に必要なのです。
そうして完成を確立し、モデルチェンジに伴うデザイン変更も、人の企図を排しクルマの意思によって「そのまま」を強要したディフェンダーは、白によって育てられた不変の名デザインと信じます。

私達日本人は格別白が好きです。手入れが大変なことも良く分かっている上で何故白が好きかのか。それは、白が究極の表現であることを分かっているからでしょう。いいモノづくりの基本である白の取扱いを自ずと知って成長している人が集まっているところが日本であるならば、日本のモノづくりが世界に通じていくのも頷けます。その難しさを外国の製品に求めていくことは、壁を一つ乗り越える挑戦です。日本の白は素敵で当たり前だけど、外国の白はどうか。外国の白をどう着こなすか。外国の白を、一番外側に身につける。それが白いクルマを選ぶ人のお気持ちでしょう。